ご訪問ありがとうございます!


2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 裁判員に選ばれるまで~裁判員裁判-1 | トップページ | 裁判員て何するの?~裁判員裁判-3 »

2019年3月 7日 (木)

裁判員「当選」後の出来事~裁判員裁判-2

去る2019年2月から3月にかけての延べ10日間、裁判員として活動しました。

裁判員に選ばれてから裁判が終わるまでの流れや、裁判員を経験して感じたこと、また裁判官の方から
聞いた小ネタなどを数回に分けて自分用の記録として書き留めておくことにします。

ワタシ自身がそうであったように、自分が突然裁判員になることが決まり不安を感じている方、
また「裁判員とはどんな感じなんだろう」と思われている方などがこの記事にたどり着くことが
あるようでしたら、それはまた光栄なことだと感じます。

ただし。

ワタシの記憶違いなどにより細かな部分で若干の誤りなどがある可能性がありますので、
あくまでも参考程度にしていただくよう、お願いいたします。

なお裁判員裁判は一つのチームとして活動を行い、裁判官3名・裁判員6名(必要に応じじて補充裁判員数名)で構成されています。

さて。

前回は抽選にて1/13,500の狭き門を突破し、裁判員に選ばれるところまで書きました。

今日はその続きを書きます。

これは実体験なので、前回とは文体が少々変わるかもしれませんがお許し下さい。

見事(?)当選したワタシが、当日のそのあとに経験したのは…。

①すぐさま別室に移動する
 幸運の女神に祝福された6名(今回は補充裁判員を含めて8名)は、荷物をまとめる時間も無いほど
 アッという間に別室に移動させられ、先ほどの全体質問の時にやって来た3名の裁判官の方々と
 向かい合う形で座らされました。

②公的な場で呼ばれることになる自分の番号の決定と最終確認
 ワタシの記憶が正しければ、この部屋で一番最初にしたことは、受付でもらって首から下げていた
 番号札を、別の番号の札に掛け変えるという作業。
 そしてこれ以降、公の場ではこの時に受け取った番号で呼ばれることになりました。
 そして再度日程の確認をし、今の段階で確実にすべての日に参加できるかを尋ねられました

③宣誓
 
次にその場で起立し、手元に置いてあった宣誓文を朗読。
 さすがに文章は正確に覚えていませんが「法律を基に公平な裁判をします」という内容だったと記憶しています。
 別室に入ってからここまでは極短い時間でして、おそらく5分とかかっていないと思います。

④またしても別の部屋に移動
 後にこの部屋が我々の休憩室となり、緊張から解放される場所になります。

⑤裁判員に選ばれたことを実感
 自分の番号の席に着くといくつかの書類が用意されていました。
 その中でも裁判員になったことを実感させられたのが、初日からの詳細な内容が書かれた
 スケジュール表と、なんと言ってもこれから自分が担当する裁判の起訴状でした。

⑥裁判員としての心構えを説かれる
 続いて映像資料を見せられました。
 裁判員制度のおさらい的内容と裁判員が負う守秘義務についての内容で、鑑賞後に
 裁判長からその解説がありました。
 「守秘義務」については先の記事でも少し触れましたが、ここではもう少し詳しくご説明を。
 まず、裁判員であることを口外することは守秘義務に含まれません。
 (最終日には裁判長から「裁判員で経験したことを宣伝して欲しい」旨のことを言われました)
 さらに言うと、公開の場となっている法廷での出来事も秘密にする必要はないのです。
 では何を秘密にしなければならないかと言いますと。
 法廷で示された様々な証拠を基に裁判官及び裁判員のみで行われる議論(これを評議と言います)や、
 評議を基に行われる多数決(評決)の内容など。
 つまりは「密室」での重要な話の内容は、他言無用というわけです。
 
ただし。
 
守秘義務に当たらない情報でも、不特定多数の目に留まるSNSでの発信は気を付けた方が良いですよ。 
 
というのは、裁判長のアドバイス。
 守秘義務の範囲を正確に理解していない人達から攻撃を受け、いわゆる炎上騒ぎになる可能性が
あるというのが、その理由でした。
 と書きながら、ワタシは発信しているわけですが…。

⑦法廷見学に向かう
 この後、思いもよらない展開が待っていました。
 じゃあ、次回から皆さんの職場(というようなニュアンスの言葉だった)となる法廷を見に行きましょうか。
 
と裁判長が。
 まあ、そうですよね。
 一般的に考えれば法廷に足を踏み入れたことがある人はそうそう居ないわけで、
 そんな人たちが当日になって初めて法廷に入り、そして初めて裁判に臨む。
 しかも傍聴席ではなく 裁判官に並んで席に着くという…。
 そんな状況下で、様々な情報が頭に入るわけがありません。
 当然、下見の必要があるわけです。
 そんなわけで、期間中私達のくつろぎの場となっていた控室から法廷の「裁判官側の席」に向かいました。
 ちなみに、後に私達が毎日のように使うことになるこのルートは、関係者以外が
 入れないようにいくつかの工夫がされています。
 そして移動途中のエレベーターには「直行」ボタンがあります。
 これは途中の乗り降りで「会ってはいけない人」などに会わなくて済むように
 することを目的にしているボタンだそう。
 裁判官の方曰く「裁判所以外では見たことがないボタン」とのことです。
 書くまでもありませんが、裁判所内で一般の方々が使用できるエレベーターには
 このボタンは有りません。

⑨いざ法廷…かと思いきや
 その「秘密のエレベーター」を降りると○○号法廷と書かれた扉があり、
 それを開くと法廷内へ…と言いたいところですが、この先にあるのは法廷と
 直結している控室。
 小ぢんまりとした部屋に、長テーブルで13席(だったと思う)が用意されています。
 本番時は事前にこの部屋に入り、法廷内の準備が整うと備え付けの電話が鳴って
 入廷することになります(先に裁判長のみが入廷していることもあります)。
 この日はここで、見栄え良く入廷するための練習を行いました。

⑨今度こそ法廷へ
 そしてついに、法廷への扉が開かれました。
 ここで私達の席順ですが。
 傍聴席側から見て向かって左から裁判員の1番~3番、そして第二裁判官。
 中心に裁判長が座って、その右隣に第三裁判官。そして裁判員の4番~6番。
 そして4番~6番の後ろのテーブルに補充裁判員といった形。
 法廷への扉は裁判長の席の真後ろにあり、そこから左右に分かれて各々が自分の席へと向かうことになります。
 で、着席。
 目の前に広がる、テレビドラマでしか見たことがない景色。
 裁判員に選ばれたことさえまだ消化しきれていなかったワタシの中で
 果たして現実の出来事なのだろうか?
 という思いが沸き上がりました。
 そんな中、裁判長から
 じゃあ、質問の練習をしてみましょうか。
 とのお言葉が。
 そうですよね。自分が被告人に質問することも有り得るんですよね…。

➉質問大会
 雰囲気づくりのために証言席に座らされたのは、まだお若い女性裁判官。
 では、一番さんからどうぞ。
 と裁判長。
 いや、まあ、どうぞと言われましてもね。
 まだまだ夢うつつのワタシに、何を質問しろと…。
 そう思ったのはワタシだけではなかったのでしょう。
 最初の方が苦し紛れにした質問は「ご結婚はされていますか?」
 ああ、そうきましたか。
 いきなり思い浮かびませんよね、お気持ちお察しいたします。
 質問者が変わっていく中、更に追い打ちをかけるかのように「彼氏はいますか?」の質問が。
 直球ですね。
 しかしこのご時世、この流れはチトまずいのでは…。
 質問が続く中必死に考え、ワタシがした質問は。
 「裁判官になって良かったな」と思うことは何ですか?
 お答えは
 裁判員裁判に携わりたくて裁判官になったので、こうして裁判員裁判をできていることが幸せです。
 という内容でした。
 全員の質問が終ると裁判官(員)側の席から証言台がある方へ下り、傍聴席も
 含めてみんなで法廷の中をウロウロし、見学会は終了。
 初対面の裁判員同士で話をしてみたり、裁判官の方に法廷や裁判などについて
 訊いてみたり。
 ここで少し、雰囲気も気持ちもほぐれた感じがしました。

⑪休憩室に戻って他己紹介
 激動の一日最後のイベントは、隣同士の人の情報を聞き出し合い発表するというモノ。
 ここで初めて、裁判員仲間の名前が明らかになります。
 自己紹介でないのは親睦を深めるためでしょうが、もしかしたら今後の質問の
 練習もあったのかもしれません。
 え~と。
 ワタシが紹介する人は、なんと裁判長ということになりまして。
 長くご一緒させていただいた今となっては良い意味で「同じ人間」と思えるのですが、
 当時のワタシにとっては裁判長「殿」、「先生様」といったイメージ。
 頑張って話を聞く中で司法の世界に進む際の「『就職先(裁判官・検察官・弁護士)』は個人の自由」とのことだったので
 ではなぜ裁判官を選ばれたのですか?
 と尋ねたところ
 一番自由なので。
 とのお答えが。
 ピンとこなかったので、もう少し訊いてみると。
 検察官も弁護士もクライアントの意向に沿った主張をしなければならず、
 裁判が進んでいく中で自分たちの立場や主張に矛盾を感じても、途中でそれを
 変えることができない。
 裁判官は自分が正しいと思った方にジャッジができるので、そういう意味で自由。

 との趣旨でした。
 この時は漠然と「なるほど」は思ったのですが、一つの裁判を経験した今ではよくわかります。

⑫初日の確認・解散
 ここで時間は17時に。
 では初日、9時45分集合でお願いします。
 
13時半過ぎから始まった、短かったような長かったような一日はこれで終了です。
 最後に今後使うことになる入門証を受付で受け取り、退散。
 これでもう、立派な裁判員。
 一人の人間の人生を決める役割から、逃げることはできなくなりました。

 参考までに申し上げますと、裁判員期間中は基本的に9時45分集合の17時解散。
 昼休みは一時間ありますが、午後の開始に間に合わないと困るので昼食は
 基本的に裁判所内で食べることになります。
 しかし裁判所内に食堂は無いので、裁判所で準備してくれる弁当を注文する方がほとんど。
 そんなわけで「弁当を頼んで一日が終了」という日々が、この日から始まりました。

では、今日はこの当りにしまして。

次回は「裁判員て何するの?」と題し、裁判の流れを追いながら、経験者としての立場から、多くの方が抱くであろう裁判員へなることの不安を少しでも解消できるような記事を書きたいと思います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

裁判所に入ってから出るまで、わずか数時間。

いまとなればこの数時間での出来事は、自分の人生の中で非常に大きな
出来事だったのだと感じます。

裁判員裁判に関わることができたのは、この時間があったから。

裁判員の任を解かれた今、かけがえのない経験ができたことを本当に有り難く思います。

そして裁判官のお三方を含めた素晴らしい10人の皆さんとこの時間を過ごせたことは、
ワタシの生涯の誇りです。

« 裁判員に選ばれるまで~裁判員裁判-1 | トップページ | 裁判員て何するの?~裁判員裁判-3 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 裁判員「当選」後の出来事~裁判員裁判-2:

« 裁判員に選ばれるまで~裁判員裁判-1 | トップページ | 裁判員て何するの?~裁判員裁判-3 »