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2019年3月 7日 (木)

日記的メモで裁判員の日々を振り返る~裁判員裁判-8

去る2019年2月から3月にかけての延べ10日間、裁判員として活動しました。

裁判員に選ばれてから裁判が終わるまでの流れや、裁判員を経験して感じたこと、また裁判官の方から
聞いた小ネタなどを数回に分けて自分用の記録として書き留めておくことにします。

ワタシ自身がそうであったように、自分が突然裁判員になることが決まり不安を感じている方、
また「裁判員とはどんな感じなんだろう」と思われている方などがこの記事にたどり着くことが
あるようでしたら、それはまた光栄なことだと感じます。

ただし。

ワタシの記憶違いなどにより細かな部分で若干の誤りなどがある可能性がありますので、
あくまでも参考程度にしていただくよう、お願いいたします。

なお裁判員裁判は一つのチームとして活動を行い、裁判官3名・裁判員6名(必要に応じじて補充裁判員数名)で構成されています。

さて。

大型更新となっている裁判員裁判シリーズですが、今回が最終回となります。

今日は自分が裁判員として活動した各日の日記的メモをに基づいて、一日ごとを振り返り
色々感想を述べたいと思います。

極めて散文的な内容になりますが、興味がある方はどうぞ。

【初日】冒頭手続き・冒頭陳述・証拠調べ・証人尋問
 ・緊張はなかったが、背筋が伸びる感じ
 ・現実の物とは思えない感覚に襲われたり、テレビドラマの中に放り込まれたような感覚に襲われたり
 ・覚醒剤を手に取る

覚悟はしていましたが、いきなり法廷に連れ出され、何が何だかわからなかったです。
隣りに座る第三裁判官さんをチラリと見たら鬼のようにメモを取っていたので、ワタシもとりあえずメモ。
法廷での時間はアッという間にに流れた印象でした。
そして衝撃の、本物の覚醒剤。
ビニール越しとはいえ、まさかこんな物を手に取る日が来るとは思ってもいませんでした。

【二日目】証人尋問・被告人質問
 ・昨日のメモをまとめようと9時に到着するも、まったくはかどらず
 ・メモに必死で証言が頭に入らず、矛盾の追及など無理
 ・検察官の指摘にビックリ 申請書→確認書 ワタシは「質問書」
 ・疲れてグッタリ 食事もせず寝たい気分

昨日のメモをまったくまとめることができなかったこの日の朝、自分の能力低下が身に沁みました。
いかに普段頭を使っていないかを痛感したと同時に、いままでの自分の堕落した生活を悔いました。
そして検察官の指摘の件。
弁護人がたった一度「申請書」と発言したことについて「確認書の誤りでは?」と検察官が指摘。
別に揚げ足取りなわけではなく、どちらの書類も証拠として存在していたので確認の意味で
指摘しただけなのですが、あの流れの中でたった一言を聞き逃さないことに本当に驚きました。
ちなみにワタシのメモでは「申請書」でも「確認書」でもなく「質問書」になっていました。
ダメだこりゃあ、って感じでしたね。

【三日目】被告人質問・鑑定人尋問
 ・今日のために昨晩考えた被告人への質問を、検察官に先にされてしまいガックリ
これはもう、心の底からガックリしました。
段取り良く説明するために何時間もかけて作戦を立て、メモにして意気揚々と裁判所へ行ったのですが…。
ただ質問のポイントとしては正しかったということでもあるので、少し自信が付きました。

【四日目】鑑定人尋問・評議
 ・午後の予定がキャンセルされ昼食後に初評議
 ・16時に解散となるも一人居残りで資料の整理 こんなので最後となる被告人質問ができるのか?

忘れることができない、居残り。
初めての評議を終え、今までのことがまったく頭に入っていないことに危機感を覚えました。
とにかく資料を見返さなければと思ったのですが、裁判所外への資料の持ち出しは禁止。
止む無く「このままココを使わせてもらいたい」と申し出たのですが、裁判官は困り顔。
居残ることが困るわけではなく「今までそんなこと言いだした人いないんですけど」という雰囲気でした。
そして結局、全然はかどりませんでした。
自分に軽く絶望しました。

【五日目】被告人質問
 ・実質の法廷最終日ということに加え、みんな慣れてきたのか鋭い質問が飛び交う。
 ・6人全員が度々質問し時間がかかり、休憩中の相談で「先に裁判官の方々に質問してもらい
  余った時間に裁判員が質問する」という作戦に。
 ・前室にて「我々は質問が多い方ですか?」に「そうですね」と裁判長がニヤニヤ。

そのままですね。
あの日のみんなの剣幕はすごかった…。

【六日目】論告・弁論・最終陳述
 ・13時半集合だったので午前中に殺人事件の初公判を傍聴し県庁で食事
 ・論告に自分の質問が反映されていて「少しは役に立てたかな」と
 ・10分の予定の最終陳述は一時間に及ぶ大演説に
 ・演説中の「私は体調が悪いので今にでも倒れそう」との発言を逆手に取り「体調が悪いのでしたら
  これで終わりにします」とバッサリいった裁判長。お見事でした。
 ・演説のおかげで「残業」となり17時半解散

最終陳述は被告人に与えられた権利のため「長いから」という理由だけで打ち切ることはできないのだそう。
それを「正当な理由」で打ち切った裁判長、痛快でした。

【七日目】初の一日中評議
 ・評議中に論点がわからなくなってしまい、変なタイミングで的外れな発言をしていることを何度か自覚
我ながら、衝撃的でした。
他のメンバーの意見に納得したり疑問を持ったりしながらの流れで、自分の意見を述べようとすると
論点がよく分からなくなってしまうという…。
自分のことが心配になってしまいました。

【八日目】評議
 ・あー、もうすぐ終わっちゃうー
 ・足りないなりに頭を使うこと、一つのことに集中すること、仲間に恵まれたこと。
  どれが欠けてもこれだけの充実感は得られなかっただろうし、残りの人生において
  これだけの条件に恵まれることはもうないだろうと思うと、ただただ感謝。
 ・自分の職業だから言えることだけど「つまらない仕事」なんだな。
  頭使う仕事がしたいな。足りない頭だけど。
 ・休み時間は皆くだらない話をしているけれど、評議が始まれば真剣。
  大人だから当たり前だけれど、尊敬。

この辺りからもう、別れを思うようになりました。
幅広い年代の集まりでしたが、皆さん心から尊敬できる方々でした。

【九日目】評決
 ・すべてが決まり「被告人の利益に」の法則も適用され、良い経験に
 ・くどいようだが、終わってしまうんだな
 ・予定より順調に進んだため、明日は休みに
 ・某氏が「今回の事件と同じ事を自分がし、捕まる夢を見た」とのことで一同大爆笑
 ・11時開始の12時20分解散となったが食事の後は、各々が興味のある裁判の傍聴へ。
  酒好きが多いので「飲みに行こう」になるかと思ったが、この辺りがこのメンバーの良いところ。

夢にまで見てしまうところ、飲みに行かずに傍聴に行くところ。
どちらも皆さんの人柄を表す象徴的な出来事で、心が温まりました。

【十日目】判決
 ・判決文が長かったこともあり、判決は一時間かかった
 ・傍聴席で涙にくれる被告人の家族を見て胸が痛んだが、皆で出した結論に後ろめたいところなし
 ・誰も言い出さなかったので、お願いして集合写真を撮らせてもらった。
  一生の宝物。
 ・今は充実感と感謝の気持ちで胸がいっぱい
 ・裁判員に選ばれたこと、皆さんに出会えたこと、この期間に起きたすべてのことが奇跡。
  この奇跡の重なりに感謝し、これからの人生の誇りにする。
 ・皆さん、どうぞお元気で

で、一番最初の「裁判員裁判を終えて」に繋がるわけですが…。

以下は、裁判員に選ばれてからすべてが終わるまでの間に感じたことをダラダラと書きたいと思います。

まず大前提は、皆さんにチャンスが巡ってきたら掴みに行くべきです。

仕事の都合、収入面(裁判員期間中は日当が出ます)、家庭環境、色々な問題はあると思います。

そこは重々承知の上で言いますが、自分からチャンスを手放すのはもったいないです。

可能な限り、最終選考には残るべきです。

と、ここまでは強く主張しましたが、ワタシがそう思えるのは「メンバーに恵まれた」という
要因も大きいようです。

裁判長にお話を聞いたところ、法廷での質問はもちろんのこと評議でもほとんど意見が出ないということも
あるそうで、そのチームによってまったく雰囲気が違うようです。

ちなみに裁判長にうかがったところ

今回の皆さんは選任手続きの日(裁判員に選ばれた当日)に「イケそうだ」と思った

そうです。

ここは素直にお言葉を受け取らせていただこうと思います。

少し話は変わりますが、若干の問題点も垣間見えました。

いつぞやの記事でチラリと書いたとように、裁判官の方々の負担が大き過ぎるように感じました。

雑務もそうなのですが、評議の際に我々裁判員に意見を聞く時、法的な解釈や解説をする時など、
自分の考えへの誘導とならないように細心の注意を払っている様子が度々窺えました。

評議は裁判に参加した人しか参加できないため、結果的に進行や解説を裁判官の方々が
行わなければならなくなることは仕方ないのでしょうが、もう少しなんとかならないものかと思います。

裁判員側の負担としては、やはり日程面でしょうか。

今回のワタシの場合は予定段階で延べ11日、実際は延べ10日でした。

これは裁判員裁判の日程としては、やや長い方です。

延べ10日と言っても土日は日程に含まれず、平日でも裁判所や裁判官の都合がつかない日は
裁判員は休みとなります。

そんな事情で、ワタシが裁判員だった期間は15日間(選ばれた当日は含まず)。

その人の性格にもよりますが、ワタシは休みの日(自分の本来の仕事の日)もどうしても
裁判のことを考えてしましました。

ワタシはそういうことが嫌いではないので気になりませんでしたが、そうでない人は苦痛でしょう。

繰り返しになりますが、ワタシにとってこの期間は素晴らしい時間でした。

全力で取り組み後悔はありませんが、その一方で自分に自信が持てなくなり、揺れた10日間でもありました。

自分に軽く絶望したこともありました。

ただ、それを支えてくれる素晴らしい仲間が居てくれました。

一つの事柄にチームで立ち向かう喜びを、久しぶりに味わうこともできました。

そして今、この裁判員裁判シリーズのブログの更新の終わりを迎えることで、本当の意味で
裁判員としての役割を終えることができる気がしています。

今は心の底から、充実感がこみ上げています。

裁判員として活動した期間に関わって下さった、すべての皆様に感謝申し上げます。

最後に、裁判員を務めた証として頂いた「裁判員バッチ」を掲載し、裁判員裁判に関する
更新を終了とさせていただきます。

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