ご訪問ありがとうございます!


2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 裁判員「当選」後の出来事~裁判員裁判-2 | トップページ | 法廷での質問の要領~裁判員裁判-4 »

2019年3月 7日 (木)

裁判員て何するの?~裁判員裁判-3

去る2019年2月から3月にかけての延べ10日間、裁判員として活動しました。

裁判員に選ばれてから裁判が終わるまでの流れや、裁判員を経験して感じたこと、また裁判官の方から
聞いた小ネタなどを数回に分けて自分用の記録として書き留めておくことにします。

ワタシ自身がそうであったように、自分が突然裁判員になることが決まり不安を感じている方、
また「裁判員とはどんな感じなんだろう」と思われている方などがこの記事にたどり着くことが
あるようでしたら、それはまた光栄なことだと感じます。

ただし。

ワタシの記憶違いなどにより細かな部分で若干の誤りなどがある可能性がありますので、
あくまでも参考程度にしていただくよう、お願いいたします。

なお裁判員裁判は一つのチームとして活動を行い、裁判官3名・裁判員6名(必要に応じじて補充裁判員数名)で構成されています。

初めに。

裁判員、何物にも代えがたい経験でした。

本当に、経験できて良かったです。

ワタシもそうですが、ご一緒した裁判員全員が「またやりたい」と言っていました。

今日はそんな貴重な経験をしたワタシが、これから裁判員を経験するかもしれない皆様の
漠然とした不安を少しでも軽減できればと思います。

自分の恥をさらすことになる気もしますが、そこは皆さま、呆れて下さい…。

なお、以下に記すことはワタシの解釈なので多少の誤りがある可能性がありますのでご了承下さい。

まず

裁判員に法律の知識は不要です。

恥ずかしい話なのですが、裁判員に選ばれる前のワタシは、逮捕から裁判に至る過程すら知りませんでした。

そんなワタシが抱いていた裁判のイメージは「有罪か無罪かや懲役を決める」でしたが、これは
あながち間違いではありませんでした。

ただその「決め方」が、ワタシの思っていたものと違いました。

ワタシは漠然と「法律に基づいて」それを「決める」と思っていたのですが、実際は

検察が有罪だと主張する内容が「証拠や証言によって」裏付けられるかを「判断」する。

のが、裁判員の役割でした。

つまり

裁判員に要求されるのは「知識」ではなく「判断」なのです。
(ただし有罪となれば量刑を「決める」ことにはなります)

今回は裁判の流れを追いつつ、ごく簡単にそのことをご説明します。
(ワタシが参加した裁判を基にしたものなので、必ずしもこの限りではないかもしれません)

①冒頭手続き
 被告人本人に名前や生年月日等を確認した後、検察が起訴状(いつ、どこで、どんな犯罪を犯し、どんな罪に問われているのか)
 を読み上げます。
 その後に裁判長から黙秘権の説明があり、起訴状の内容を認めるか被告人に尋ねます。

②冒頭陳述
 まず検察側から事件の概要が説明され、今回の裁判の争点が提示されます。
 (有罪無罪から問うのか、刑期のみを決めるのかなど、色々なケースがあるようです)
 この時点で、検察側の主張である「被告人が何の法律に触れていると考えているのか(罪名)」が
 明らかになります。
 続いて弁護側から検察側の冒頭陳述に関する反論が述べられたり、被告人に有益な情報などが示されます。
 ここで双方の意見の違いが浮き彫りになり、争点がより明確になります。

ここまで、約一時間。

ワタシが担当した裁判も、空き時間に傍聴したいくつかの裁判も、ここで一旦休憩に入りました。

なのでこの記事も、少し休憩を。

さて。

先ほどワタシは「法律の知識は不要」と申し上げました。

その訳ですが、実は今ご説明した中の②、起訴状の作成や冒頭陳述の段階で、法律の
活用は終わっているのです。

少々馬鹿にした言い方に聞こえるかもしれませんが、「法律上どんな罪に当たるのか」という
ムズカシイコトはセンセイの皆さんがやって下さっているわけです。

裏を返せば、センセイの皆さんが色々考えた結果、刑事裁判になっているというわけです。

先に書いた通り、裁判員がやるべきことはこの後に始まる証拠の提示や証言などから、
検察が主張や争点が裏付けられるか判断する
ということです。

裁判官と裁判員によるチームが「そこまでは言いきれない」という判断を下せば、完全に無罪、
争点の一部のみ認める、量刑が軽減されるなどのことになります。

では、その「判断材料」がどう示されていくのかをご案内しましょう。

③証拠調べ
 証拠は、事件の内容によって出てくる物が色々違います。
 例えば、殺人なら凶器に使われた実物が提示され裁判員の手元に回ってきますし、覚醒剤の
 密輸なら押収された覚醒剤がビニール袋に入った状態で回ってきます。
 その他にも、共犯者とやり取りしたメールの内容や現場の写真などがモニターに映し出されたりもします。
 ここであえて書きますが、殺人事件の場合はご遺体の写真が示されることもあります。
 が、ワタシが傍聴した殺人事件の裁判員裁判では、ご遺体全体ではなく包丁が刺された部分のみを
 拡大して映し出していましたし、写真を白黒加工して生々しさはありませんでした。
 加えて検察官の方から「これから遺体の写真を提示します」と事前の通告もありました。
 印象としては、それほど身構える必要はありません。

④証人尋問
 証言台に座った証人の方に、質問をします。
 検察側が連れてきた証人には検察側が質問した後に弁護側が、弁護側が連れてきた証人には
 弁護側が質問した後に検察側が質問します。
 その後に裁判官・裁判員から質問をします。
 つまり、同一の証人に対しての双方の質問とその証言を聞いてから、裁判員は質問をすることになるわけです。
 ここで注意すべきは、一つの裁判を通して同じ証人が何度も証言台に立つことはないということです。
 一人の証人に対する質問は何度でもすることができますが、機会は一回きりなので納得がいくまで
 質問した方が良いです。

証人が何人いるかなどにもよりますが、たいていは証人尋問は翌日に跨るようです。

また以下の⑤以降もその数や必要性によって何日かに分けて行われます。

⑤被告人質問
 被告人への質問は弁護側→検察側→裁判官・裁判員の順で行われます。
 証拠に基づくもの、証人の発言を引用したものに限らず、証拠として形に残っていない当時の心境など、
 なんでも質問できます。
  「こんな質問をしても良いのだろうか」とどうしても不安なようでしたら、休憩時間などに
 裁判官の方に予め相談してみるのも良いと思います。
 そしてこの質問に対する証言が新たな「証拠」となることもあります。
 ワタシが参加した裁判では、ワタシが質問した際の被告人の答えが論告(以下の⑧)に
 取り入れられ大変驚きましたし、嬉しくもありました。

⑥鑑定人尋問
 被告人に対する精神や認知症などの鑑定が必要な時、検察の取り調べが通訳を通して
 行われた時にはその通訳が適切かなど、様々な状況に応じてその道のプロを呼んで
 検証してもらいます。
 裁判員から鑑定人に対する質問も可能です。
 ちなみに、どういう専門家を呼ぶかは検察・弁護の双方が決められますが、公平性を保つため
 「誰を呼ぶか」については裁判所が決めるとのことでした。

⑦被告人質問
 様々な証拠・証言・鑑定結果を加味し、最後にもう一度この時間が取られます。
 後々「やっぱり訊いておけば良かった」と思うことが無いようにしましょう。
 次回の「法廷での質問の要領」にて書きますが、質問は非常に大切です!

⑧論告
 今までの裁判を基に検察側からの最終的な主張が行われ、求刑が行われます。

⑨弁論
 弁護側からの最終的な主張が行われます。
 裁判の状況により違うでしょうが、無罪を主張したり情状を主張したりします。

➉最終陳述
 被告人が最後の主張をします。

実質の裁判はここで終了です。

この後は数日間に渡り裁判官と裁判員による「評議」というモノが行われ、様々な証拠(法廷内での証言も証拠となります)を
基にして最終的に結論を出します。
そして、その結論が判決となるのです。

この「評議」については、別途こちらでお話しましょう。

長くなって要点がボケてしまった感じもしますが、少しは流れがお分かりになったでしょうか?

しつこいようですが、裁判員に求められているのは「知識」ではなく「証拠から判断」することです。

経験したからこ言えるのですが、一人一人の裁判員の「判断」に正解も間違いもありません。

最終的には多数決で結果が決まるので、誰か一人が判決の責任を負う訳でもありません。

それでも不安を感じるあなた。

乱暴な言い方をしますが

みんなやってるんだから、あなたもできます!

やりたくできる事ではないのですが、もし選ばれたらどうぞ楽しみにお待ち下さい。

絶対に「やって良かった」と思えますので!

« 裁判員「当選」後の出来事~裁判員裁判-2 | トップページ | 法廷での質問の要領~裁判員裁判-4 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 裁判員て何するの?~裁判員裁判-3:

« 裁判員「当選」後の出来事~裁判員裁判-2 | トップページ | 法廷での質問の要領~裁判員裁判-4 »